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高エネルギー吸収型落石防護柵

マクロフェンス®

MACRO FENCE
国土交通省新技術情報提供システム
(NETIS)登録番号
HR-090007-A ※掲載期間終了
■対応対策
  • 落石対策
■適用範囲
対応落石エネルギー: ~750kJ/~1500kJ/
~2000kJ/~3000kJ/~5000kJ
マクロフェンス®
落石捕捉時のネット変形量が小さい
高エネルギー吸収型落石防護柵
マクロフェンスは、斜面に設置して道路や民家を落石災害から守る落石防護柵です。最大5000kJまでの落石エネルギーに対応し、大規模落石対策に有効です。
1. 斜面設置型の防護柵
2. 落石エネルギー5000kJまで対応
3. 大規模落石対策に有効
4. 落石の規模に応じて5タイプ展開

特長

  1. 落石エネルギー5000kJまでの大規模落石に対応
  2. 落石エネルギーに応じて最適なタイプを選定
  3. ネット変形量が小さく、道路付近・民家裏で対策可能
  4. 支柱間隔を調整し、地形の変化に対応できるバージョンを追加

落石エネルギー5000kJまでの大規模落石に対応
ネットと金網の変形及び緩衝装置の変形により効率良く落石エネルギーを吸収します。最大対応落石エネルギー5000kJと、従来の高エネルギー吸収型落石防護柵では対応できなかった大規模な落石にも対応することができます。
 
落石エネルギーに応じて最適なタイプを選定
750kJ/1500kJ/2000kJ/3000kJ/5000kJのそれぞれの落石エネルギーを適用範囲とする5つのタイプがあり、広領域の落石エネルギーに対応します。現場で想定される落石の規模に応じて最適なタイプを選ぶことで、無駄のない経済的な対策が可能となります。
 

5000kJまでの広領域の落石エネルギーを
カバーする豊富なラインアップ



 
対応エネルギーのタイプによって、緩衝装置の配置箇所や数量、ネットの規格等が異なります。

 

落石エネルギーに応じたタイプ選定表

捕捉対象となる落石の径・重量及び落下高より、最適なタイプをご検討いただけます。
※色の付いている項目は、それぞれのタイプの適用範囲を示します。
 750kタイプ   1500kタイプ   2000kタイプ   3000kタイプ   5000kタイプ
単位:kJ
下記の表は左右にスクロール出来ます
落石径 φ1.00 φ1.25 φ1.50 φ1.75 φ2.00 φ2.25 φ2.50
落石重量 13.61kN 26.59kN 45.95kN 72.96kN 108.91kN 155.07kN 212.71kN
落石高 5.0m 49 95 164 261 389 554 760
10.0m 97 190 329 522 779 1109 1521
15.0m 146 285 493 783 1168 1663 2281
20.0m 195 380 657 1043 1557 2218 3042
25.0m 243 475 821 1304 1947 2772 3802
30.0m 292 570 986 1565 2336 3326 4563
35.0m 341 665 1150 1826 2725 3881 5323
40.0m 389 760 1314 2087 3115 4435 6084
※表は右記の条件による  斜面勾配θ=45°等価摩擦係数μ=0.35

 
ネット変形量が小さく、道路付近・民家裏で対策可能
落石捕捉時のネットの変形量が小さいため、比較的保全対象物に近づけた配置が可能です。それぞれのタイプのネット変形量は実験により確認されています。保全対象物に比較的近い配置ができることで、用地取得の必要な面積が抑えられ、コストの縮減が期待できます。

※設置位置は、ネットの変形量だけでなく現地の状況を十分考慮して決定してください。

 

ネットの変形量が小さいため、道路付近に設置することができます。

 
実験結果から設定された設計最大変形量
タイプ 載荷エネルギー 設計最大変形量
750kJタイプ 774.4kJ 4.21m
1500kJタイプ 1637.2kJ 5.80m
2000kJタイプ 2083kJ 5.25m
3000kJタイプ 3136kJ 6.05m
5000kJタイプ 5254kJ 6.50m

 

支柱間隔を調整し、地形の変化に対応できるバージョンを追加
マクロフェンスの2000kJタイプに、支柱間隔を5.0mから10.0mまで、1.0m単位で変更できるバージョンを追加しました。支柱間隔をスパン毎に変更することで、対応可能な現場が拡大します。起伏のある現場で、縦断勾配を付けて配置する場合や、等高線に合わせて配置する場合でも、地形に沿った配置が可能です。なお、実験結果から載荷エネルギーは2002kJ、阻止面の変形量は8.3mとなっています。
 

等高線に合わせた配置イメージ


縦断勾配を付けた配置イメージ
 

構造

マクロフェンスは、支柱、金網、ワイヤネット、ワイヤロープ、緩衝装置で構成されています。基礎はアンカー構造であり、山側・サイドにはワイヤアンカーを、支柱基部にはアンカーロッドを用います。対応落石エネルギーに応じて5つのタイプがあり、それぞれ支柱やネットの規格、アンカー打設数、緩衝装置の設置数などが異なります。ワイヤネットと緩衝装置の変形により、効率良く落石エネルギーを吸収します。
 

750kJタイプ

正面図
断面図

2000kJタイプ

正面図
断面図
下記の表は左右にスクロール出来ます
タイプ別の支柱・ネット標準規格
タイプ 支柱 柵高 ネット
750kJ STK400 鋼管
φ114.3 t=4.5
3.5m メッシュパネル
素線径 φ7、メッシュ目合い 300×300
1500kJ SS400 H形鋼
H150×150×7×10
4.0m リングパネル
素線径 φ3、リング径 φ350、素線巻数 5巻
2000kJ SS400 H形鋼
H175×175×7.5×11
5.0m リングパネル
素線径 φ3、リング径 φ350、素線巻数 7巻
2000kJ
(支柱間隔調
整可能Ver)
角型鋼管
□175×175×6
5.0m リングパネル
素線径 φ3、リング径 φ350、素線巻数 12巻
3000kJ SS400 H形鋼
H175×175×7.5×11
5.0m リングパネル
素線径 φ3、リング径 φ350、素線巻数 10巻
5000kJ SS400 H形鋼
H250×250×9×14
6.0m リングパネル
素線径 φ3、リング径 φ420、素線巻数 15巻


エネルギー吸収機構
マクロフェンスは、各所に緩衝装置がバランス良く配備されており、構造物全体で効率よく落石エネルギーを吸収します。
 
エネルギー吸収フロー
  • 1.ネットが変形して、落石エネルギーを吸収します。
  • 2.ワイヤロープに張力が発生します。
  • 3.各所にバランス良く配置した緩衝装置が変形して落石エネルギーを吸収します。
  • 4.落石の停止

 
 



落石衝突時にワイヤロープに一定以上の張力が発生すると、アルミ鋼管製の緩衝装置が変形し、落石エネルギーを吸収します。

 

実験

750kJ~5000kJの5つのタイプの実物供試体に、重錘の自由落下による衝撃載荷を実施し、それぞれのタイプの落石捕捉性能が実証されました。また、最大エネルギーの1/3(サービスエネルギー)の落石に対して初期柵高の70%以上を保持し、補修なしで2回の連続捕捉ができることが確認されました。
 

実物供試体による衝撃載荷実験

 

重錘落下前


重錘捕捉時


 
下記の表は左右にスクロール出来ます
落石に対する性能照査実験
実験方法 実物供試体に対する重錘自由落下実験
場所 イタリア
重錘重量 16.17kN/22.03kN/48.44kN/95.00kN/158.55kN
載荷エネルギー 750kJ/1500kJ/2000kJ/3000kJ/5000kJ


実験結果

 
下記の表は左右にスクロール出来ます
最大エネルギーの重錘を衝突させた場合
項目 タイプ
750kJ 1500kJ 2000kJ 3000kJ 5000kJ
落石エネルギー 774.4kJ 1637.2kJ 2083kJ 3136kJ 5254kJ
初期柵高 3.16m 4.02m 4.03m 5.03m 6.01m
残存柵高 1.83m 2.48m 2.89m 3.69m 4.19m
下記の表は左右にスクロール出来ます
サービスエネルギー(最大エネルギーの1/3)の重錘を衝突させた場合
項目 タイプ
750kJ 1500kJ 2000kJ 3000kJ 5000kJ
1回目 落石エネルギー 299.4kJ 525.9kJ 730kJ 1073kJ 1725kJ
初期柵高 3.13m 4.04m 4.02m 5.02m 6.00m
残存柵高 2.20m 3.38m 3.37m 3.95m 4.42m
2回目 落石エネルギー 316.2kJ 556.2kJ 731kJ 1077kJ 1725kJ
 

2000kJタイプ支柱間隔調整可能バージョン

2000kJタイプの支柱間隔調整可能バージョンの実物供試体の中間/端末スパンに、重錘の自由落下による衝撃載荷を実施しました。それぞれのスパンで最大エネルギーの落石を確実に捕捉できることが実証されました。実験は、落石対策便覧(2017年12月改訂版 / 公益社団法人日本道路協会)の、実験による性能検証の条件に適合しています。
 

実物供試体による衝撃載荷実験

 
落石に対する性能照査実験 
実験対象 マクロフェンス2000kJタイプ(支柱間隔調整可能Ver)
実験方法 実物供試体に対する重錘自由落下実験
時期・場所

2022年

イタリア

柵高・延長

4.0m

15m(3スパン, 支柱4本)

重錘形状・材質

多面体

鋼板+コンクリート

重錘密度・重量

2.7t/m3

4,540kg

落下高さ 45.35m
衝突速度 29.7m/s
載荷エネルギー 2002kJ
実物供試体による衝撃載荷実験を行い、道路土工構造物技術基準で規定されている要求性能2を満たしていることが確認されています。
実験は、落石対策便覧(2017年12月改訂版 / 公益社団法人日本道路協会)の、実験による性能検証の条件に適合しています。
別途「実験報告書」および「性能評価シート」にまとめています。
ご入用の方は、お問合せフォーム からご請求ください。
 

 

施工

1. アンカー削孔
1. アンカー削孔
各アンカーの打設位置に、ボーリングマシンを用いて所定の角度で削孔し、アンカー体を挿入します。
2. グラウト注入
2. グラウト注入
グラウトを所定の配合で練り混ぜ、孔内に注入します。グラウトの強度が設計値を満足するまで養生します。
3. アンカー確認試験
3. アンカー確認試験
アンカーの確認試験を行い、設計耐力を満足しているか確認します。
4. 支柱取り付け
4. 支柱取り付け
台座モルタルの上にベースプレートを設置し、支柱の基部側とベースプレートを接続します。支柱は谷側に倒しておきます。
5. 上部・下部水平ロープ設置
5. 上部・下部水平ロープ設置
支柱のロープガイドにワイヤロープを通します。ロープの端部はアンカーに取り付けます。
6. ネット設置
6. ネット設置
ネットを上部・下部水平ロープに取り付けます。
7. 金網設置
7. 金網設置
金網をネットの山側に重ねて仮設置します。
8. 支柱建込み
8. 支柱建込み
ウインチ等を用いて支柱を起こします。
9. ワイヤロープ設置
9. ワイヤロープ設置
山側控えロープ、上部・下部水平ロープを設置し、緊張させます。
10. 完成
10. 完成

災害抑止例




点検の際に落石を捕捉していることを確認しました。部材の損傷はありませんでした。
 
時期 2010年
場所 岐阜県
状況 落石の捕捉
対応 補修等の対応なし



約1.2mの落石を捕捉しました。捕捉後も製品の機能を充分に発揮できる状態を維持することができました。
 
時期 2015年
場所 福井県
状況 落石の捕捉
対応 ワイヤロープの引き直しによる支柱倒れと柵高の復旧、
メッキスプレー吹付による支柱損傷部の補修
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